ドガ「三人の踊り子」
エドガー・ドガ(Edgar Degas/1834-1917)は、フランスの印象派の画家。Edgarはエドガール、エドガルとも表記される。
室内風景を描いた作品が多い。殊にバレエの踊り子と浴女を題材にした作品が多く、彼女らの一瞬見せた何気ない動作を永遠化する素描力は秀逸。
野外の風景を描いたもの作品も見られるが、それは競馬場など人々の多く集まる場所に限られている。彼の関心の対象は徹底して都会生活とその中の人間であった。
晩年は視力の衰えもあり、踊り子などを題材とした彫刻作品も残している。
ドガは現代生活の古典画家?
ドガは通常印象派の画家の一員と見なされている。確かに彼は1874年以来、印象派展にたびたび出品していた。
全8回の印象派展のうち、第7回展以外のすべてに参加している。1862年にマネと知り合ってからは「カフェ・ゲルボワ」の画家グループにも参加していた。
しかし、光と影の変化をキャンヴァスに写し取ろうとしたモネのような典型的な印象派の画家たちと異なり、ドガの制作の基盤はあくまでもルネサンスの巨匠や新古典主義の画風にあった。
古典的手法で現代の都会生活を描き出すことから、ドガは「現代生活の古典画家」と自らを位置付けていたという。
バレエ作品が多いのは何故?
パリの銀行家の息子として裕福な家庭に生まれたエドガー・ドガは、上流階級の社交としてオペラ座の定期会員となり、バレエの稽古場や楽屋に自由に出入りして、踊り子・バレリーナたちの練習風景をつぶさに観察し自らの絵画作品としていた。
エドガー・ドガが描いたのは当時のロマンチック・バレエの風景。ドガがバレエ作品に熱意を向けていたことは後世のオペラ座でも評価されており、ドガの彫刻「14歳の小さな踊り子」をモチーフとしたバレエ作品を2003年に初演している。
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バレエ関連の有名な作品
「舞台のバレエ稽古 Répétition d'un ballet sur la scène」 1874
「ダンス教室(バレエ教室) Classe de danse」 1873-1875
『踊りの花形(エトワール) Ballet - L'étoile』 1878年頃
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