「夜のカフェテラス」は、ポスト印象派の代表的画家ゴッホ(Vincent van Gogh)による1888年の作品。南仏アルルの星空の下、人でにぎわうカフェテラスが描かれている。オランダのクレラー・ミュラー美術館蔵。
黒を使わずに描かれた夜空
ゴッホが妹ヴィル・ファン・ゴッホ(Willemina Jacoba van Gogh/1862–1941)に宛てた手紙によれば、絵画「夜のカフェテラス」について彼はこう述べている。
「ランタンが素晴らしい黄色の光を放ち、店の正面やテラス、歩道、道路を照らしている。切り妻造りの家々は、星が散りばめられた青い空の下の道が暗がりへ続くように、暗い青やすみれ色、そして緑色の木が配されている。この夜の絵には黒は使われていない。美しい青、すみれ色、緑、周辺は淡い黄色と淡黄色の緑を用いた。」
現在のカフェの様子
「夜のカフェテラス」のモデルとなったカフェは、アルルのプラス・デュ・フォルム広場(the Place du Forum)に面した店で、「カフェ・バン・ゴッホ Cafe Van Gogh」という名で営業している。
【参考】 ゴッホ「夜のカフェ」
ほぼ同時期に描かれたゴッホの絵画「夜のカフェ」では、アルルに来たゴッホが「黄色い家」に家具や寝具を揃えるまで数か月寝泊まりしていた深夜営業の大衆居酒屋「カフェ・ドゥ・ラ・ガール the Café de la Gare」が描かれている。「夜のカフェテラス」で描かれたカフェとは別の店。
ゴッホの絵画「夜のカフェ」 1888