レンブラント(Rembrandt Harmenszoon van Rijn/1606-1669)は、17世紀を代表するオランダの画家。
特徴としては、作品の一点(ないし複数の点)に暗闇に鋭く差し込むような光線が当てられ、その部分を強調すると同時に、暗闇の部分を逆に強調する手法が見られる。
生涯を通じて数多くの自画像を描いたことでも知られ、その時々の彼の内面の変化を伺い知ることができる。
右作品は、レンブラント34歳頃の自画像(1640年)。
代表作「夜警」(1642年)とは?
レンブラントの有名な作品として『夜警』(1642年)が挙げられる。画面が黒ずんでいるが、実際には左上から光が差し込んでおり、昼の時間が描かれている。
オリジナルのタイトルは「フランク・バニング・コック隊長の市民隊」。火縄銃手組合からの依頼だったが、何も関係のない少女を目立たせたため、注文主は不満だったという。
アムステルダムの中心部にある広場の市役所に移された際、非常に大きな絵であるため、壁に入りきらないとして周りを大きくカットされてしまった。
また、1980年代にアムステルダム国立美術館において暴漢によってナイフで切られたことがある。12ヶ所余りを切られたが、現在では修復されている。
テュルプ博士の解剖学講義 1632年
レンブラントの代表作としては、1632年に完成された『テュルプ博士の解剖学講義 De anatomische les van Dr. Nicolaes Tulp』が広く知られている。オランダのマウリッツハイス美術館所蔵。
帽子をかぶった人物が解剖官ニコラス・テュルプ博士で、処刑された犯罪者の遺体を使って医学者たちに腕を解剖して講義を行っている場面が描かれている。17世紀当時、解剖学の講義は一般に公開され社会的な医学イベントとして定着していたという。
解剖されている遺体の顔の一部にかかっている影は「umbra mortis アンブラ・モーティス(死の影)」と呼ばれる技術で、レンブラントがしばしば使用した。