ポール・セザンヌ (Paul Cézanne/1839-1906)は、ゴッホやゴーギャンと同時期のフランスの画家。後期印象派の時期に活躍し、「近代絵画の父」として知られる。
セザンヌは、時間とともに移ろう光を追いかけている印象派に不満だった。彼の「絵画は、堅固で自律的な再構築物であるべきである」という考え方は、続く20世紀美術に決定的な影響を与えた。
「リンゴとオレンジのある静物」 1895-1900 オルセー美術館
ポール・セザンヌの生涯
1839年、ポール・セザンヌは裕福な銀行家の息子として南フランスのエクス=アン=プロヴァンスに生まれた。
1862年、画家を志してパリに出る。ロマン主義のウジェーヌ・ドラクロワ、写実主義のギュスターヴ・クールベ、のちに印象派の父と呼ばれるエドゥアール・マネらから影響を受けた。
理解されず苦しい時期が続く
1874年の第1回印象派展に『首吊りの家』を出品し、以後第3回に出品した。43歳の時、『画家の父』(1882年)で初めてサロンに入選。
1886年には故郷に戻り、サント・ヴィクトワール山などをモチーフに絵画制作を続けた。経済的な不安はなかったものの、絵はなかなか理解されなかった。
ピカソらのキュビズムにも影響
1895年、アンブロワーズ・ヴォラールの画廊で初個展を開き、一部の若い画家たちから注目され始めた。
後進への手紙の中で「自然を円筒、球、円錐として捉えなさい」と書き、この言葉が後にパブロ・ピカソに代表されるキュビスムに大きな影響を与えた。
セザンヌの有名な作品
「カード遊びをする人々」 1890 - 1892 メトロポリタン美術館
「カード遊びをする人々」 1894-1895 メトロポリタン美術館
「女性水浴図」 1875 - 1877 メトロポリタン美術館
ピカソの絵画「アヴィニョンの娘たち Les Demoiselles d'Avignon」にも影響を与えたとされる。