ラファエロ・サンティ(サンツィオ)(Raffaello Sanzio/1483-1520)は、盛期ルネサンス期を代表する画家、建築家。レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロとともに、ルネサンスの三大巨匠と呼ばれる。
ミケランジェロが偉大な改革者であるのに対し、ラファエロはそれまでの芸術手法を統合、洗練して、女性的で優雅な様式を確立した。総合芸術の天才として彼の死後も賞賛され、模倣された。
聖母マリアと幼子キリストを描いた聖母子作品を数多く残したことから「聖母子の画家」とも呼ばれる。その代表作・有名な作品として、「小椅子の聖母」、「ベルヴェデーレの聖母」、「システィーナの聖母」をご紹介したい。
小椅子の聖母
「小椅子の聖母 Madonna della Seggiola」 1514 油彩・板 ピッティ美術館
ラファエロによる聖母子の絵画作品の中でも人気が高い円形画(トンド)。聖母マリアと幼子キリスト、少年の姿をした聖ヨハネが描かれている。
伝説によれば、ローマの路地を歩いていたラファエロが、仲睦まじい母親と二人の子供を見かけ、思わず側にあったワイン樽の蓋に即興で絵を描きあげ、後に聖母子画「小椅子の聖母」となったという。
ベルヴェデーレの聖母
「ベルヴェデーレの聖母 Madonna del Belvedere」 1506 油彩・板
ウィーン美術史美術館所蔵。「牧場の聖母」とも題される。赤いドレスと青いローブをまとい、優しく幼子らを見守る聖母マリア。少年のような姿の聖ヨハネが片膝をつき細長い十字架を支え、幼子キリストはその十字架を握り視線を送っている。
システィーナの聖母
「システィーナの聖母 Madonna Sistina (Sacra conversazione」 1512-1514 油彩・画布
ドレスデン国立絵画館所蔵。「サン・シストの聖母」とも題される。サン・シスト聖堂の祭壇画として教皇ユリウス2世により依頼され製作された。聖母マリアの左右には聖シクストゥスと聖バルバラ、画面下には二人の天使が描かれ、十字架(またはひし形)的な構図となっている。
その他ラファエロの代表作・有名な作品
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