医師ガシェの肖像　ゴッホ

ゴッホが最期を迎えた地オーヴェルの精神科医ポール・ガシェ医師

「医師ガシェの肖像」は、フランスで活動したポスト印象派の代表的画家ゴッホによる1890年6月の作品。同名の作品が複数あり、「ガシェ博士の肖像」との表記も見られる。

モデルとなったポール・ガシェ（Paul-Ferdinand Gachet /1828-1909）は、フランス・パリ近郊のオーヴェル＝シュル＝オワーズ在住の精神科医であった。

絵画愛好家であり、ポール・セザンヌやカミーユ・ピサロらと交友があったほか、自らも絵画を描いていた。

彼は週に数度パリで診察を行っていたが、1890年3月に初めてゴッホの診察をし、健康回復のために彼をオーヴェールに招いた。

5月、オーヴェールに着いたゴッホはガシェ一家と親しくなり、再び創作意欲がよみがえった。村の風景や村人たちを描き、ガシェ自身もモデルとなった。

7月末に自殺を図り死去するまでの2ヶ月間、ゴッホはこの村で80点ほどの作品を残している。