エル・グレコ
El Greco/1541-1614

ギリシャからスペインへ トレドに定住した異邦人画家

ギリシャの画家エル・グレコ(El Greco/1541-1614)が定住したスペイン中央部の都市トレド(Toledo)。キリスト教やユダヤ教、イスラム教などの多様な文化が混在し、旧市街全域がユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されている。

エル・グレコはスペインに移住する前にはイタリアのヴェネツィア、ローマに比較的長く滞在しており、作風にもイタリア絵画の影響が反映されている。「エル・グレコ」という名前はイタリア語で「ギリシャ人」を意味している。ちなみに本名は「ドメニコス・テオトコプーロス Doménikos Theotokópoulos」。

エル・グレコによる絵画作品・代表作

無原罪の御宿り
マニエリスムの傾向が色濃く表れたエル・グレコ晩年の傑作。30年前にも同主題の作品が存在する。
悔悛するマグダラのマリア
ゴルゴタの丘(ゴルゴダの丘)でイエスの死を見届け、復活したイエスに最初に立ち会った聖人マグダラのマリア
聖衣剥奪 エル・エスポリオ
トレド移住後初の大作。注文主のトレド大聖堂とトラブルに。画面左下の3人のマリアにも注目。
第5の封印
ヨハネの黙示録をモチーフとしたエル・グレコ晩年の祭壇画作品。7つの封印が解かれるとき、人類は滅亡し、最後の審判が始まる。ピカソの作品にも影響を与えたとされる。
聖アンナのいる聖家族
聖家族に母アンナや幼児ヨハネを描き加えたエル・グレコ作品。幼児ヨハネの仕草が暗示するものとは?
聖マウリティウスの殉教
依頼主のスペイン国王フェリペ2世に拒絶された作品。殺伐とした地上の描写とは対照的な天上の世界にも注目。
受胎告知 じゅたいこくち
雲に乗って現れた天使ガブリエル 驚く聖母マリア 天上のオーケストラ。日本の大原美術館にも所蔵されている。

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