すみれの花束をつけたベルト・モリゾ
マネのモデルも務めた女流画家ベルト・モリゾの肖像画
「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ Berthe Morisot au bouquet de violettes」は、フランス印象派の画家マネが1872年に完成させた肖像画(油絵・油彩)。「すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ」とも表記される。
描かれている女性は、マネの友人でモデルも務めたフランスの女流画家ベルト・モリゾ(Berthe Morisot/1841-1895)。モリゾは27歳の時にマネと知り合い、マネの下で美術を学びながら、お互いに切磋琢磨し影響を与え合った。
モリゾはマネとの恋仲を噂されることもあったが、彼女は結局1874年にマネの弟ウージェーヌ・マネと結婚し、1879年には娘ジュリーを出産している。結婚後、兄のマネはモリゾをモデルとすることはなくなった。
モリゾをモデルとした有名な作品は?
モデルを務めたモリゾが描かれたマネの有名な作品としては、1869年のサロンで展示された油彩「バルコニー Le Balcon」が代表作として挙げられる。
手前で椅子に腰かけている女性がベルト・モリゾ。隣に立っている女性はヴァイオリニストのファニー・クラウス、後ろの紳士は風景画家のアントワーヌ・ギュメ。発表当時は、「現代の生活をただ描いただけの絵」、「平面的な絵」として酷評されたという。オルセー美術館(パリ)所蔵。