眠れるお針子 ミレー
縫い物の途中で眠りこけるミレーの妻カトリーヌ・ルメール
「眠れるお針子」は、19世紀のフランス・バルビゾン派の画家ジャン=フランソワ・ミレー(Jean-François Millet/1814-1875)による1844年頃の絵画作品。
縫い物をしている愛らしい女性が裁縫中にそのまま居眠りをしている様子が描写されている。ミレーが好んで題材に用いた「お針子」作品における初期の傑作。モデルは、ミレーの後妻カトリーヌ・ルメール(Catherine Lemaire)。
ミレーは最初の妻ポーリーヌ=ヴィルジニー・オノ(Pauline-Virginie Ono)を結婚から3年後に結核により亡くしている。1845年から家政婦だったカトリーヌと事実上の夫婦生活を始め、以後バルビゾンへも共に移住し、生涯で9人の子どもをもうけた。正式な結婚は、ミレーの死の直前である1875年に行われた。
「ミレーの美術館」として多くの愛好者が訪れる山梨県立美術館には、開館30周年を記念して新たに設けられた常設展「ミレー館」にて、2009年から「眠れるお針子」を常設展示している。