古代イベリア彫刻とピカソ

ピカソも影響を受けた前ローマ時代の古代イベリア美術

ピカソが「アビニヨンの娘たち Les Demoiselles d'Avignon」などで影響を受けたとされる古代イベリア彫刻は、イベリア半島に鉄器時代からローマ人による征服まで住んでいたイベリア人による古代イベリア美術の一つ。前ローマ・イベリア彫刻とも呼ばれる。

大きく分けて二つのグループがあり、イベリア半島東部の地域レヴァンテ(Levante)から発掘されたレヴァンテ・グループ(The Levantine Group)と、南部のアンダルシア地域にある墳墓から発掘された南部グループ(The Southern Group)に分けられる。

それぞれのグループの代表作は、レヴァンテ・グループでは「エルチェの貴婦人」、南部グループでは「バサの貴婦人」が特に有名。詳細は以下のとおり。

エルチェの貴婦人 la Dama de Elche

有名な古代イベリア彫刻としては、スペイン南東部バレンシア州アリカンテ県に属する都市エルチェ(Elche/Elx)で発見された「エルチェの貴婦人(the Lady of Elche / la Dama de Elche)」が広く知られている。

「エルチェの貴婦人」は1897年に発見され、製作時期は紀元前4世紀頃だとされている。オリジナルはスペインのマドリード国立考古学博物館に展示されており、発見場所のエルチェにはレプリカが展示されている。

バサの貴婦人 la Dama de Baza

他にも古代イベリア彫刻を代表する美術品として、スペイン南部アンダルシア州グラナダ県のバサ(Baza)で発掘された「バサの貴婦人(the Lady of Baza (la Dama de Baza)」が有名。

「バサの貴婦人」は古代バスティタニア(Bastitania)地方を代表するイベリア彫刻で、1971年に同地のネクロポリス(necropolis/巨大墓地)から出土した。

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